2011.09.11
溶連菌迅速キットの陽性率を上げるコツ?/Centor score
咽頭炎や扁桃炎などはウイルス、あるいは溶連菌によって生じることが多いのですが、
この溶連菌に対しては咽頭のぬぐい液を用いた迅速キットがあります。
キットの使い方はとても簡単で、柄の長い綿棒のようなもので咽頭をぬぐい、試験管に入れて提出するだけなのですが、
この検査、陽性率があまり芳しくなく、実際に溶連菌がいたとしてもなかなか陽性と出てはくれないみたいです
実際、自分も救急外来あるいは総合診療外来で何度か使いましたが、以前まで陽性が出たことはほとんどありませんでした。
ある日、とある先輩研修医にそのことを言ったら、
「あぁ、あれはちょっとしたコツがあって、のドチ○コの裏側をこするように採ると陽性率が高くなるらしいよ」
とのことでした
え~、ホントにそんなことで陽性率上がるんですか~・・?
なんか胡散くさいし、それにチ○コの裏側をこするなんて、なんだかかるく18禁なテクニックな感じもしましたが(笑)、なんとなく頭の片隅に置いてました。
その後のある日、自分の総診外来に咽頭痛と発熱を訴える30代の男性がやってきました。
本人の話では、つい先日保育園に通う自分の子供と奥さんがヘルパンギーナ(ウイルスによる咽頭の感染症)になったとかで、自分もそれをうつされたと考えていたみたいですが、
口の中をのぞき込んで見た扁桃はウイルス感染にしてはあまりに腫大・白苔付着が強く、また後述するCentor scoreも全て当てはまっていたため、
「これゼッタイ溶連菌いるっしょ」
と思いました。
で、溶連菌迅速キットを使おうとした時に思い出したのが先程の先輩の言葉です。
ホントに出るんかなぁと思いつつ、のどチ○コの裏側を入念にこすり(少し患者さんは「オエッ」とならせてしまいましたが…)、
提出して結果をみたところ、
なんと陽性が出ました。
おぉ~マジかーやったーと診察室で小躍りしたい気持ちを抑えて、そこは医者らしく冷静な振りをして
「細菌感染症ですね。抗生剤を処方しますので、それを飲みきってもまだ良くならなければまたいらして下さい。効果が出るまでには、少なくとも3日くらいかかるかと思います(キリッ」
と言って、サワシリンを2週間分処方しました。
もう2週間経ちましたが再来院していないところをみると、抗生剤で無事治ったんじゃないかと思います
さてその日の外来の後、よっしゃよっしゃと思って研修医室に帰って例の先輩に
「いや~、先輩の言うとおりにしたらホントに陽性出ましたよ。あざーす」
と言ったら、
「あぁ、あれさ、もしかしたらアデノウイルスかインフルエンザの迅速キットの方の話かもしれん。後で調べて教えてくれ」
と言われました(爆
そして、ネットなんかで少し調べてみたんですが、結局よく分かりませんでした
とまぁ、真偽の程は最後まで微妙になってしまいましたが、でもその方法で実際に陽性を出せたことですし、自分は当面これでやってこうかと思います
ちなみに、先述のCentor scoreとは、溶連菌による咽頭炎を示唆する度合いのスコアで、FACTの頭文字から構成される4つの所見から構成されます。すなわち、
Fever:発熱>38度
Absence of Cough:咳症状の欠如
Cervical Lymphadenopathy:前頚部リンパ節の腫脹・圧痛(※)
Tonsilar Exudates:扁桃からの滲出物(白苔など)
※3つめのリンパ節腫脹は、後頚部リンパ節の場合は伝染性単核球症の可能性が高く、その場合ペニシリン投与は禁忌になりますのでご注意ください
このCentor score、4つ全部そろっても溶連菌感染症である可能性は50%ほどらしいのですが、特徴がよくまとまっていますし、迅速キットの結果と併せてぜひ咽頭炎治療の指針を立てる参考にしてみてください☆
この溶連菌に対しては咽頭のぬぐい液を用いた迅速キットがあります。
キットの使い方はとても簡単で、柄の長い綿棒のようなもので咽頭をぬぐい、試験管に入れて提出するだけなのですが、
この検査、陽性率があまり芳しくなく、実際に溶連菌がいたとしてもなかなか陽性と出てはくれないみたいです

実際、自分も救急外来あるいは総合診療外来で何度か使いましたが、以前まで陽性が出たことはほとんどありませんでした。
ある日、とある先輩研修医にそのことを言ったら、
「あぁ、あれはちょっとしたコツがあって、のドチ○コの裏側をこするように採ると陽性率が高くなるらしいよ」
とのことでした

え~、ホントにそんなことで陽性率上がるんですか~・・?
なんか胡散くさいし、それにチ○コの裏側をこするなんて、なんだかかるく18禁なテクニックな感じもしましたが(笑)、なんとなく頭の片隅に置いてました。
その後のある日、自分の総診外来に咽頭痛と発熱を訴える30代の男性がやってきました。
本人の話では、つい先日保育園に通う自分の子供と奥さんがヘルパンギーナ(ウイルスによる咽頭の感染症)になったとかで、自分もそれをうつされたと考えていたみたいですが、
口の中をのぞき込んで見た扁桃はウイルス感染にしてはあまりに腫大・白苔付着が強く、また後述するCentor scoreも全て当てはまっていたため、
「これゼッタイ溶連菌いるっしょ」
と思いました。
で、溶連菌迅速キットを使おうとした時に思い出したのが先程の先輩の言葉です。
ホントに出るんかなぁと思いつつ、のどチ○コの裏側を入念にこすり(少し患者さんは「オエッ」とならせてしまいましたが…)、
提出して結果をみたところ、
なんと陽性が出ました。
おぉ~マジかーやったーと診察室で小躍りしたい気持ちを抑えて、そこは医者らしく冷静な振りをして
「細菌感染症ですね。抗生剤を処方しますので、それを飲みきってもまだ良くならなければまたいらして下さい。効果が出るまでには、少なくとも3日くらいかかるかと思います(キリッ」
と言って、サワシリンを2週間分処方しました。
もう2週間経ちましたが再来院していないところをみると、抗生剤で無事治ったんじゃないかと思います

さてその日の外来の後、よっしゃよっしゃと思って研修医室に帰って例の先輩に
「いや~、先輩の言うとおりにしたらホントに陽性出ましたよ。あざーす」
と言ったら、
「あぁ、あれさ、もしかしたらアデノウイルスかインフルエンザの迅速キットの方の話かもしれん。後で調べて教えてくれ」
と言われました(爆
そして、ネットなんかで少し調べてみたんですが、結局よく分かりませんでした

とまぁ、真偽の程は最後まで微妙になってしまいましたが、でもその方法で実際に陽性を出せたことですし、自分は当面これでやってこうかと思います

ちなみに、先述のCentor scoreとは、溶連菌による咽頭炎を示唆する度合いのスコアで、FACTの頭文字から構成される4つの所見から構成されます。すなわち、
Fever:発熱>38度
Absence of Cough:咳症状の欠如
Cervical Lymphadenopathy:前頚部リンパ節の腫脹・圧痛(※)
Tonsilar Exudates:扁桃からの滲出物(白苔など)
※3つめのリンパ節腫脹は、後頚部リンパ節の場合は伝染性単核球症の可能性が高く、その場合ペニシリン投与は禁忌になりますのでご注意ください
このCentor score、4つ全部そろっても溶連菌感染症である可能性は50%ほどらしいのですが、特徴がよくまとまっていますし、迅速キットの結果と併せてぜひ咽頭炎治療の指針を立てる参考にしてみてください☆
スポンサーサイト
2011.08.29
総合診療科のスゴい先生
うちの病院の総合診療科にはスゴい先生がいます。
まだ30代前半の女性の先生なんですが、初期研修をうちの病院でやった後で総合診療に力を入れている某大学の総合診療科に入局し、
なんとその医局の教授に正診率で勝ってしまったんだそうです
その後うちの病院の副院長がスカウトしてきて今に至る、という感じで、いろんな人から「あの先生はスゴい」と言われているんですが、
噂どおりホントにスゴいんです。
総合診療科の研修では研修医が外来でまず病歴聴取と身体診察を行い、自分なりに鑑別疾患を想起して
必要な検査を考えてその先生にコンサルト、その後で検査を行う、という感じなんですが、
直接診ていない患者をまるで実際に診たかのように指摘・助言すること(臨床所見、鑑別疾患など)がドンピシャなんです。
そして、
「じゃあこういう検査をして、○○な結果が予想できて、△△な治療をしたら、□□週間後に診たらこんな感じになってると思うから、その時に再診予約を入れてまた診ましょうか」
と言われて□□週間後に診たら、大抵ホントにそんな風になってます
病院の先生たちもこの先生にはみんな1目置いていて、いろんな科から診断に困る患者についてのコンサルトをされています。
さらに研修医教育にとても熱心で、めちゃめちゃ優しくて、おまけに美人ときたもんで、
ホントにそんな人いるんかいなと思うくらい完璧超人な先生なんですが、ホントにいるんです
そんなスゴい先生に、かつて1度だけ「わからない・・・」と言わしめたとある研修医の質問が、今でも研修医室の伝説として語り継がれています。
その質問というのが、
「先生、たまに格闘マンガなんかで、クビの後ろの辺りを『トンッ』とやって気絶させる技ありますよね。あれってどういう理屈なんですか」
というのだそうです。(なんちゅうアホな)
・・・分かる人いたら教えてください 笑
まだ30代前半の女性の先生なんですが、初期研修をうちの病院でやった後で総合診療に力を入れている某大学の総合診療科に入局し、
なんとその医局の教授に正診率で勝ってしまったんだそうです

その後うちの病院の副院長がスカウトしてきて今に至る、という感じで、いろんな人から「あの先生はスゴい」と言われているんですが、
噂どおりホントにスゴいんです。
総合診療科の研修では研修医が外来でまず病歴聴取と身体診察を行い、自分なりに鑑別疾患を想起して
必要な検査を考えてその先生にコンサルト、その後で検査を行う、という感じなんですが、
直接診ていない患者をまるで実際に診たかのように指摘・助言すること(臨床所見、鑑別疾患など)がドンピシャなんです。
そして、
「じゃあこういう検査をして、○○な結果が予想できて、△△な治療をしたら、□□週間後に診たらこんな感じになってると思うから、その時に再診予約を入れてまた診ましょうか」
と言われて□□週間後に診たら、大抵ホントにそんな風になってます

病院の先生たちもこの先生にはみんな1目置いていて、いろんな科から診断に困る患者についてのコンサルトをされています。
さらに研修医教育にとても熱心で、めちゃめちゃ優しくて、おまけに美人ときたもんで、
ホントにそんな人いるんかいなと思うくらい完璧超人な先生なんですが、ホントにいるんです

そんなスゴい先生に、かつて1度だけ「わからない・・・」と言わしめたとある研修医の質問が、今でも研修医室の伝説として語り継がれています。
その質問というのが、
「先生、たまに格闘マンガなんかで、クビの後ろの辺りを『トンッ』とやって気絶させる技ありますよね。あれってどういう理屈なんですか」
というのだそうです。(なんちゅうアホな)
・・・分かる人いたら教えてください 笑
2011.08.25
お久しぶりです&外来デビューしました♪
ほんっとーにお久しぶりです!
3ヵ月近くも記事書かなくてすみませんでしたm(_ _)m
書きたいことはホントにた~くさんあったのですが、何せ忙しいのと、遅筆なのと、せっかく書くなら良い記事書きたいなぁなどとあれやこれや考えてたらあっという間に時間がたってしまいまして・・
でも、記事のクオリティを気にするあまり記事が書けないなんてまさに本末転倒
そもそもこのブログ始めたのももっと気軽に好きなように医学のこと書きたいからだったじゃんか、と思いまして、
今後はもう細かいことあまり気にしないで書く事にしました 笑
ひとまず前回の記事以降の自分ですが、消化器内科は6月いっぱいで終わり、
7月の1ヵ月間に神経内科を回り、
8月から今現在総合診療科を回っています(9月いっぱいまでの予定)。
ななんとうちの病院、この総合診療科を回っている間の2ヵ月間、1年目研修医に外来をやらせるのです 爆
救急外来じゃないですよ。ホントの外来です。
医療関係者なら、特に医師なら、これがどんだけ突飛で奇抜なことか分かっていただけるかと思います
外来なんて本来、ちゃんとした専門医が自分の専門知識をフルに生かしてこなす業務ですからね。
ぶっちゃけ、研修開始以来最大の壁にぶち当たっています 笑
そこらへんの積もる話やら、神経内科研修中にあったことで書きたいこともあるのですが、今回はこのくらいで!
また次回!
よーし今度からはもっと書くぞー
3ヵ月近くも記事書かなくてすみませんでしたm(_ _)m
書きたいことはホントにた~くさんあったのですが、何せ忙しいのと、遅筆なのと、せっかく書くなら良い記事書きたいなぁなどとあれやこれや考えてたらあっという間に時間がたってしまいまして・・

でも、記事のクオリティを気にするあまり記事が書けないなんてまさに本末転倒

そもそもこのブログ始めたのももっと気軽に好きなように医学のこと書きたいからだったじゃんか、と思いまして、
今後はもう細かいことあまり気にしないで書く事にしました 笑
ひとまず前回の記事以降の自分ですが、消化器内科は6月いっぱいで終わり、
7月の1ヵ月間に神経内科を回り、
8月から今現在総合診療科を回っています(9月いっぱいまでの予定)。
ななんとうちの病院、この総合診療科を回っている間の2ヵ月間、1年目研修医に外来をやらせるのです 爆
救急外来じゃないですよ。ホントの外来です。
医療関係者なら、特に医師なら、これがどんだけ突飛で奇抜なことか分かっていただけるかと思います

外来なんて本来、ちゃんとした専門医が自分の専門知識をフルに生かしてこなす業務ですからね。
ぶっちゃけ、研修開始以来最大の壁にぶち当たっています 笑
そこらへんの積もる話やら、神経内科研修中にあったことで書きたいこともあるのですが、今回はこのくらいで!
また次回!
よーし今度からはもっと書くぞー

2011.05.29
学生さんがやってきた!
うちの病院がある県の大学(医学部)では、毎年この時期に6年生が県内の病院に1ヵ月間実習に来ています。
んで、先週からうちの病院にも数人の学生さんが来まして、しかもそのうちの1人が自分の下で実習することになりました
先々週の副院長先生(研修管理委員長)との会話。
副院長先生「TKMS、オメさんに学生1人つけっからな。1年間のアドバンテージを見せてやんだぞ」(←超方言)
オレ「・・・がんばります」
はたしてオレに1年間のアドバンテージなんてあるんでしょうか
マッチングでは毎年フルマッチするうちの病院ですが、大学からの志望者の多くはこの実習で志望するかどうかを決めるんだそうです
つまり、将来の自分の後輩になる(そして当直のローテに加わってくれる 笑)可能性のある人物なわけです
せっかく実習に来てくれるのだから、ちょっとでもタメになる、そしてできれば「この病院で働きたい!」と思ってもらえるような実習にしたいな~と思います
自分が学生の頃、「こんな研修医になりたい」「早く働きたい」と思わせてくれた先輩や研修医の先生の姿はどんなだったかな。。なんて少し回想したりもしました
あまり固く考えずに、自分にできる範囲で、学生さんに何かを伝えられる実習にできたらいいなと思います
んで、先週からうちの病院にも数人の学生さんが来まして、しかもそのうちの1人が自分の下で実習することになりました

先々週の副院長先生(研修管理委員長)との会話。
副院長先生「TKMS、オメさんに学生1人つけっからな。1年間のアドバンテージを見せてやんだぞ」(←超方言)
オレ「・・・がんばります」
はたしてオレに1年間のアドバンテージなんてあるんでしょうか

マッチングでは毎年フルマッチするうちの病院ですが、大学からの志望者の多くはこの実習で志望するかどうかを決めるんだそうです

つまり、将来の自分の後輩になる(そして当直のローテに加わってくれる 笑)可能性のある人物なわけです

せっかく実習に来てくれるのだから、ちょっとでもタメになる、そしてできれば「この病院で働きたい!」と思ってもらえるような実習にしたいな~と思います

自分が学生の頃、「こんな研修医になりたい」「早く働きたい」と思わせてくれた先輩や研修医の先生の姿はどんなだったかな。。なんて少し回想したりもしました

あまり固く考えずに、自分にできる範囲で、学生さんに何かを伝えられる実習にできたらいいなと思います

2011.05.13
シリーズ:オススメ医学書② 輸液関連の本
以前の日記にも書きましたが、自分は現在消化器内科で研修しています
そこで働き始めてまず必要性を強く感じたのが、輸液の知識です。
受け持ち患者さんには色んな疾患の人がいますが、中でも消化器内科は経口摂取が不可能な患者さんの割合がとても多いです。
(進行胃癌や潰瘍の瘢痕で消化管が狭窄している人、イレウスや膵炎で絶飲食管理中の人、ウイルス性腸炎でいつも吐きまくってる人、などなど)
当然そういう人たちにとっては、輸液が水分だけでなく様々な栄養分や電解質の唯一の摂取方法になるわけです。
ウチの病院は病棟患者の処方は基本的に研修医が行っているので、受け持ち患者さんの輸液は全て自分がオーダーしてます。
そこで自分が出す輸液の種類が見当違いだったり、量が不適切だったりすると、患者さんにとってはそりゃもういい迷惑なわけです
輸液って、国家試験の勉強ではあまり掘り下げてやりませんよね。
自分も働き始めはほとんど分かってなかったのですが、「このままじゃヤバイ」と思って急いで読んだ本が以下の3冊です。
①水・電解質と酸塩基平衡―Step by stepで考える[南光堂]
けっこう有名な本ですよね。自分も学生時代に読んだのですが、未だにかなりためになったなぁと思っている本です。
タイトルのとおり、人体の水・電解質のことが順を追ってかなり分かりやすく書いてあります。
輸液に関する基礎医学的な知識を得るという目的ではとてもいい本だと思います。が、この本だけでじゃあ実際に患者に対して輸液を選べ、といわれても少し厳しいと思います。
②輸液を学ぶ人のために[医学書院]
これもかなり有名な本ですね。
前々から知ってはいたんですが、働き始めてから読もうかな~と思っていて、ホントにそうなりました
①の本よりもう少し実践的な本で、具体的な輸液製剤の名前なんかもチラホラ出てきます。
輸液の基礎医学的な知識はあるけども、じゃあ実際にどう使うのかは分からない、という段階で、基礎と実践の橋渡し的にいい本だなと思います。
③ポケット輸液マニュアル 改訂版―正しく使うための基本と疾患別療法[羊土社]
今結構使ってるのがこの本です。
様々な病態や主要疾患(例:心不全、肝硬変、糖尿病などなど)ごとに、輸液の目的や具体的処方例、注意事項などが書いてあります。
さらにポケットサイズなので白衣のポッケに入るなど、ざっと輸液関連の本を見た中では一番実用的に思えたので買いました。
期待どおりの内容でしたし、とくに『具体的処方例』のところはかなり重宝しているのですが、正直この本をもってしても実際に輸液を行う際には十分とはいえないと思います。
この本どおりの患者なんてまずありませんし、人の体の日々の状態の変化、上の先生の好み、病院で採用されている輸液製剤の種類などなど、
実際に輸液を行おうとする時、自分で考慮しないといけない要素がごまんとありますから
ですが、ひたすら理論だけを並べられるよりかは、まず『具体的処方例』として例が一つでもあると、それが輸液の目的や方法を理解する足がかりになります。
それをベースに自分でいろいろとアレンジしたりすることもできます。
(例があれば大きく外す心配も減りますし
)
②の本にも書いてあったのですが、結局輸液というのは理屈うんぬんより、
まず入れてみて、患者を毎日よ~く観察しながら適宜調節していく
しかないみたいです。
自分もまだまだ勉強途中ですが、輸液関連の本選びの参考にしてみてください☆

そこで働き始めてまず必要性を強く感じたのが、輸液の知識です。
受け持ち患者さんには色んな疾患の人がいますが、中でも消化器内科は経口摂取が不可能な患者さんの割合がとても多いです。
(進行胃癌や潰瘍の瘢痕で消化管が狭窄している人、イレウスや膵炎で絶飲食管理中の人、ウイルス性腸炎でいつも吐きまくってる人、などなど)
当然そういう人たちにとっては、輸液が水分だけでなく様々な栄養分や電解質の唯一の摂取方法になるわけです。
ウチの病院は病棟患者の処方は基本的に研修医が行っているので、受け持ち患者さんの輸液は全て自分がオーダーしてます。
そこで自分が出す輸液の種類が見当違いだったり、量が不適切だったりすると、患者さんにとってはそりゃもういい迷惑なわけです

輸液って、国家試験の勉強ではあまり掘り下げてやりませんよね。
自分も働き始めはほとんど分かってなかったのですが、「このままじゃヤバイ」と思って急いで読んだ本が以下の3冊です。
①水・電解質と酸塩基平衡―Step by stepで考える[南光堂]
けっこう有名な本ですよね。自分も学生時代に読んだのですが、未だにかなりためになったなぁと思っている本です。
タイトルのとおり、人体の水・電解質のことが順を追ってかなり分かりやすく書いてあります。
輸液に関する基礎医学的な知識を得るという目的ではとてもいい本だと思います。が、この本だけでじゃあ実際に患者に対して輸液を選べ、といわれても少し厳しいと思います。
②輸液を学ぶ人のために[医学書院]
これもかなり有名な本ですね。
前々から知ってはいたんですが、働き始めてから読もうかな~と思っていて、ホントにそうなりました

①の本よりもう少し実践的な本で、具体的な輸液製剤の名前なんかもチラホラ出てきます。
輸液の基礎医学的な知識はあるけども、じゃあ実際にどう使うのかは分からない、という段階で、基礎と実践の橋渡し的にいい本だなと思います。
③ポケット輸液マニュアル 改訂版―正しく使うための基本と疾患別療法[羊土社]
今結構使ってるのがこの本です。
様々な病態や主要疾患(例:心不全、肝硬変、糖尿病などなど)ごとに、輸液の目的や具体的処方例、注意事項などが書いてあります。
さらにポケットサイズなので白衣のポッケに入るなど、ざっと輸液関連の本を見た中では一番実用的に思えたので買いました。
期待どおりの内容でしたし、とくに『具体的処方例』のところはかなり重宝しているのですが、正直この本をもってしても実際に輸液を行う際には十分とはいえないと思います。
この本どおりの患者なんてまずありませんし、人の体の日々の状態の変化、上の先生の好み、病院で採用されている輸液製剤の種類などなど、
実際に輸液を行おうとする時、自分で考慮しないといけない要素がごまんとありますから

ですが、ひたすら理論だけを並べられるよりかは、まず『具体的処方例』として例が一つでもあると、それが輸液の目的や方法を理解する足がかりになります。
それをベースに自分でいろいろとアレンジしたりすることもできます。
(例があれば大きく外す心配も減りますし

②の本にも書いてあったのですが、結局輸液というのは理屈うんぬんより、
まず入れてみて、患者を毎日よ~く観察しながら適宜調節していく
しかないみたいです。
自分もまだまだ勉強途中ですが、輸液関連の本選びの参考にしてみてください☆